11/29 中村修先生の講演要旨

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昨年11/29に行われた「より良いゴミ処理施設を考える勉強会 in たがわ」
総勢60名程の参加があり、質疑も活発になされました。
以下、中村先生の講演要旨になります。

中村修先生 講演要旨 11/29

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*ゴミ処理とし尿処理は自治体として外せない仕事。必ず発生する。
プラスティックは100年後には無いかもしれないが、ゴミとし尿は存在する。
それを「ゴミ処理」という視点で捉えるか「資源循環」という視点で捉えるか。

*焼却場を統合していこうという動きは20年前からある。その意味で田川地域は20年遅れていると言える。

*自治体の人口は今後減って行く。当然税収も減る。国も補助金を絞ってくるだろう。そういった社会の大きな流れの中でコスト意識を持って自治体運営をしていくのがこれからの流れ。

*ゴミ焼却場の建設費を試算してみた。A案:焼却場を統合して100トン規模を1カ所に建てて80億となる。
B案:各自治体がバラバラに建設する。50トンを1カ所、30トンを2カ所に建てて131億円となる。
建設費の大部分はメーカーが取るため、地元への還元率は低い。

*建設費は国の補助や過疎債で市町の負担は実質的に少ないが、維持管理費は市町の実費となる。20年間で建設費の約120%かかる。A案とB案での差額は年間3億円近くになる。つまり、地域で3億円が福祉や子育て、教育など違うことに使えるということ。
補助を見込んで建設費の手出しが少ないので大きい焼却場(高額のもの)を建てるとその後の維持管理に苦労することになる。

*焼却場を統合すると、収集運搬費用が高くなるとの反論もある。しかし、この部分のコストはほとんど収集に掛かる人件費。建設費を浮かせた分で充分にカバーできる金額である上、地元に雇用が生まれるという視点が大切になる。

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*大木町の事例紹介
大木町は焼却場を持たずに「生ゴミとし尿を資源循環させる循環型施設」を導入した。
処理費が年3000万円浮き、そのお金で図書室の充実化などをしている。

*循環型施設を導入し、そこで出来た液肥を使い米や野菜を育てている。それらを学校給食に使ったり、地産地消のレストランで活用したりしている。
循環型施設に伴い、直売所、道の駅、レストランなどで61名の新規雇用が生み出されている。1万5千人規模の自治体でこれは大きい。
田川の規模であれば、200名ぐらいの新規雇用を作り出せる可能性がある。

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*循環型施設は環境にも良く、コストも下がり、雇用も作れる。

*資源循環を導入する際のポイントは「新規事業」として資源循環推進室といったものを役所内に作り、4名ほどスタッフを置くことが必要になる。
現在の環境課の仕事は「ゴミ処理」という枠組み。そうではなくて、あくまでも新規の「資源循環事業」として位置づけ進める必要がある。
ここが確保できないと具体化は難しい。

*大木町の成功事例があり、現在隣にあるみやま市、岡山の真庭市も計画を進めている。両自治体ともに専門のスタッフを配置している。
2番手、3番手となれば、いろいろなことが分かっているのでより楽にできる。
循環型の導入はそれほど「大それた」ことではない。
首長の判断で進む場合もあるし、熱心な職員が居るから進む場合もある。

*生ゴミの分別にハードルありという反論も良くある。
しかし、生ゴミの分別をひとつ増やすだけ。それほど特別なことではないと思う。
また、小学校で分別に関する授業をするのも効果的。子どもが学び、それが親に波及する点も効果がある。

【以前の視察での説明から補足】大木町では小技を上手く活用している。生ゴミ収集は無料。可燃ゴミで出したら有料(中袋で60円)。
生ゴミは週に2回、回収をする=家に3~4日置いておく。可燃ゴミは週1回の収集。
バケツもどういうものが使い易いかを住民と話し合って来た。
10軒分ぐらいの生ゴミをひとつのコンテナに集める。異物が入っていたら、張り紙がされる。
「異物無し」という優秀な地域には半年に1回感謝状を出し、町の温泉施設への招待券を配るという工夫をしている。

*液肥の利用も大きな課題。
ここが上手くいかないと「循環」にならない。
大木町でも当初は「使ってもらえないのでは」という不安もあったが、3年も経てば取り合いの状態。
液肥は無料。散布料は10aで1000円。ある農家は「1年で50万円肥料代が浮いた。それを10年続けたので、クラウン(高級車)が買えた」という。
「それは良い」となれば、自然と広がる。

*何故、大木町の循環型モデルが浸透しないのか?
ひとつはゴミ処理行政にコスト意識がないこと。他の自治体との比較などがなされていない。どの方式でやったらどれだけ違うのかといったコスト分析がされていない。
また、新規事業という位置づけで職員を配置できるかどうかも分かれ道になる。
今からみやま市、真庭市の実例が出てくる。今後は20ぐらいの具体例を作りたいという想いがある。
小さな大木町だからやれたのだ、という話もあるが、田川地域であれば、循環型施設を3つぐらい作れば良い。そこで雇用も生まれるし、レストラン事業などの波及効果も望める。

*循環型施設の建設費
これは、し尿処理場の半分で済む。そして、循環型施設を導入すると焼却場の規模は3割落とせる。それだけ建設費が安くなる。し尿処理場も不要になるので行政コストは下がる。循環型施設はし尿処理場の代替施設とも言える。し尿を処理するのではなく、資源循環させるという視点がそこにはある。

*今後の自治体運営
これから、人口も減り税収も減る中で、愚かな運営をする自治体は「滅びる」と思う。夕張市が破綻した例がある。
そういった悪い例も必要だとは思っている。失敗を教訓にしていく必要がある。
宮崎で焼却場を建設したが、全く稼働せずに潰した例もある。
そういった失敗から何を学ぶかという視点も大切。

*まとめ
これから人口が減り、税収も減ることは確実。国の補助もどこまであてに出来るか分からない状況がやってくる。どこに有効的にお金を使うか?ゴミを「処理」するのか「資源循環」させるのか?そういったことが今問われている。

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